ぼくはこの歳(40歳)になるまで,研究者には避けて通れない海外留学の機会を得られずに来てしまいました。たまたま今年(1998年)の1月,1通の電子メールがカルガリーから研究室に舞い込み,それをぼくが引き受けたことから一つの縁ができました。Calcium channel の研究をしていて97年にはNatureにも論文を出している若手研究者Dr. Gerald Zamponiが京都に立ち寄るので大学でセミナーをさせてくれ,というのです。もちろん京大でセミナーをしてもらい,彼の奥さんMegとも一緒に京料理を共にして彼はカルガリーに帰っていきました。
それから数ヶ月後,「研究開発動向調査に関わる短期派遣の募集」だったと思いますが,通常とは異なった短期(最長2ヶ月)海外出張募集のお知らせが学部事務から回ってきました。今年はいろんな事情で講義などの負担が後期に少なくなることが分かっていましたので,これ幸いと考えたぼくは11月中旬出発の日程で申請をして,とんとん拍子で出張が認められたのが8月でした。Gerald には電子メールで相談をもちかけたところ,出張の受け入れを快く引き受けてくれました。
冬のもっとも寒い時期に単身で身よりもない土地に行くことは大変なことですが,もとより冒険精神旺盛なぼくは,そういうことこそ進んで飛び込む性格です。ぼくにしてみれば大学の雑用やら家事やらに気を取られずに思う存分実験と研究ができる絶好のチャンスです。とにかく行って,共同研究の実験三昧をしようと思っていました。
したがって,カルガリーについての知識は直前にちょっとガイドブックを見た程度で,準備らしきことはホテルの予約と,空港でScott Jarvisという院生に迎えに来てもらうというようにお願いしただけでした。あとはなんとかなるさ,と関空を一人で旅だったのが1998年11月11日でした。